お金を借りる
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今日中に借りれる。即日融資の話に神父も感動した

教会に呪いを解きに来た勇者

「呪いをかけられてしまったので、教会で呪いを解いてもらいに来ました!」

 

勇者はひとりで教会にやってきていた。呪われた武器を興味本位で装備してしまったら、手から離れなくなってしまったのだ。

 

「おお、勇者よ。久しぶりですね」

「はい、最近は装備も整えてレベルアップも順調なのでめっきり全滅しなくなりましたから」

「その禍々しい武器のことですか…?」

「いえ、これはきょっとふざけて呪われた剣を装備したら取れなくなっちゃって」

「ふふふ、冗談ですよ。それにしても貧乏で有名な勇者の貴方が、よく仲間の分まで装備を揃えられましたね」

「実はお金を借りたんです」

 

勇者は神父にお金を貸してくれるお店から借金をした経緯を話した。

 

「毎月の支払いに追われて大変ではありますけど、前よりもしっかりモンスター退治もできるし、仲間の信頼も得られて良いことの方が多いですよ」

「なるほど。お金を借りる人はカジノにハマってしまうような人ばかりと思っていましたけど、そういう利用の仕方もあるのですね」

「えぇ、神父様には無縁かもしれませんが、使い方次第では便利なものです」

「そうなんですか」

「はい、安定した職業や収入があることがその日にわかれば、即日融資してくれたりしますしね。給料日前なのでどうしても生活費が足りない!っていう時とかに使う人も多いってお店の人が言ってました」

「ははあ、なるほど。その日に貸してもらえるのは親切ですね」

 

神父は良いことを聞いたという顔でうんうんと頷いた。

勇者は即日融資を受けて強くなる

「この教会にも、お金に困っているという相談をしにくる方はいるのです。しかし、話を聞いてあげることはできても、教会にはお金を貸す余裕などありません。今度、そういう困った方がいらしたら、そのお店のことを話してみましょう」

「いいと思います。普通に生活している人なら、だいたいの人は断られないみたいです。すぐにまとめて返済できるのであれば、利子もわずかで済んだりするんです」

「それは良いことを聞きました。ふふふ、なんだか以前に比べて明るく元気になりましたね、勇者」

「やっと人生上手くいきはじめたなって感じがするんです。返済があるんで、月1でこの街には帰ってきてますけど、魔王の手下とかも倒したりしてるんです」

「そうですか、これからも頑張って、世界に平和をもたらしてくださいね」

「はい!」

「勇者に神のご加護がありますように」

 

神父が優しく祈りを捧げると、勇者はお礼を言って笑顔で教会を立ち去って行った。

逞しく成長したように見える背中を見送りながら神父は何かを忘れているような気がして首を傾ける。

そこに、勢い良く教会の扉を開けながら勇者が戻ってきた。

 

「神父様!呪い解いてもらうの忘れてた!」

「あ……!」


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