入院費が払えない。病気やケガの時に役立つ公的資金と借入先まとめ

入院時の支払いが心配

 

突然のケガや病気で入院したけど、医療保険にも入っていないから支払いが心配だ。

そう思う人も少なくないでしょう。

また、持病を持っていて治療のためには入院しなくてはいけないけど、入院費が払えないので、治療をためらってしまう。

そんな方も中にはいると思います。

 

治療内容の中には保険適用外のものがあったり、様々な制度を利用しても結局自己負担が多いものもあります。

しかし、たいていの場合は国の医療費制度を利用することで、自己負担を最小限にすることができます。

実際に入院費用はどれくらいかかるのかと、入院費の支払いに役立つ制度をまとめてみました。

 

入院中の生活費はどれくらい必要?

ケガと病気は思わぬときにやってくるもの。お医者さんに「入院してください」と言われるケースもあれば、救急車で運ばれてそのまま入院ということもあります。

そんなとき不安になるのが「いくらお金を用意すればいいか」ということですよね。

お医者さんに聞くのもちょっと恥ずかしいそんな入院費。ここではなかなか聞き出せない、入院中に必要となる生活費がどれくらいになるのか紹介します。

 

入院は何日くらいかかる?

厚生労働省の調査によると1回の入院の平均在院日数は31.9日だそうです。

ガンの摘出手術のような手術入院の場合は平均で20日程度と比較的短くなりますし、回復の早い若者ほど入院の日数は短くなる傾向にあります。

例えば骨折での入院の場合、0〜14歳では平均5.3日で退院しているのに対して、75歳以上の場合は51.9日での退院になります。

実際にどれくらいの日数で退院できるかは、傷病によってまったく変わってきますので、お医者さんに確認するようにしてください。場合によっては仕事を休まなくてはいけないケースもありますので、入院前に必ず聞いておきましょう。

 

入院費用の内訳と1日の平均金額

生命保険文化センターの調査によると、1日あたりの自己負担費用の平均は21,000円となっています。この費用に含まれるのは下記になります。

 

  • 治療費
  • 食事代
  • 差額ベット代
  • 交通費
  • 衣類、日用品

 

1ヶ月の治療費が100万円だとすると、本人負担額は3割の30万円になります。

 

食事代は所得に応じて変わりますが、入院中の食費の自己負担額は1食あたり260円になりますので1日で780円、30日ですと23,400円です。

自己負担額は、今後さらに引き上げられることになっています。

 

差額ベッド代が発生する場合は、1日あたり約6,000円かかり、1人部屋の場合はさらに高くなります。

これも保険の対象外ですので、治療費とは別に支払うことになります。

 

差額ベッド代は同意書にサインしなければ発生しませんが、大部屋のベッドが空いていない場合、同意しなければ治療不可として別の病院に依頼しなくてはいけなくなることもあります。

 

これらの金額を合計して、日割り計算をすると、上記のような1日あたり20,000円前後の平均額になるというわけです。

 

 

入院費用の支払い方法

 

入院をした場合の入院費用は、毎月ごとに医療費をまとめて病院側から請求され、入院患者が支払うことになります。

支払い方法として現金払いだけではなく、銀行振込やクレジットカード払いなどが用意されていることがあります。

 

このとき想定以上の金額を請求されることがあり、多くの人が「払えない」となってしまいます。

30日の入院で病院からの請求額が50万円にもなると、そう簡単に払うことができませんよね。

 

そういう人のために高額医療費制度という救済策が用意されています。

 

高額療養費制度をわかりやすく解説

高額療養費とは、同一月(1日から月末まで)に自己負担額が一定額を超えた場合に、後日払い戻しを受けられる制度です。

病院での治療は基本的に本人負担が3割となっていますが、これとは別に1ヶ月の医療費の負担額に上限を設定しています。

その上限を超えた金額は払い戻しを受けることができます。

 

70歳未満の自己負担額は下記のようになっています。

  • 住民税非課税の低所得者:35,400円
  • 年収約370万円未満:57,600円
  • 年収約370万〜770万円:80,100円+(医療費ー267,000円)×1%
  • 年収約770万〜1160万円:167,400円+(医療費ー558,000円)×1%
  • 年収約1160万円以上:252,600円+(医療費ー842,000円)×1%
例年収約370万〜770万円

治療費100万円

80,100円+(1,000,000ー267,000円)×1%=87,430円

当初の自己負担額は30万円でしたが、実際の自己負担額は87,430円ということになります。

高額療養費制度を利用する上での重要ポイントは?

高額療養費制度を利用する上で抑えておきたいポイントは以下の3つです。

 

1)自己負担額は複数の医療機関で合算できる

治療を受ける医療機関が一箇所であるとは限っていません。複数の医療機関で合算することができます。

2)世帯内で合算できる

同じ健康保険に加入している家族の自己負担額を合算することができます。

例えば、お父さんが胃の手術をした月に、その息子が足の骨折の治療をしたという場合、両方を足した自己負担額が上限を超えていれば払い戻しを受けられます。

3)払い戻しには3ヶ月以上かかる

払い戻しには、医療機関から各健康保険組合に提出された医療報酬明細(レセプト)が審査を経るまでに3ヶ月くらいはかかります。

そのため当座の支払い費用に充てるための後で紹介する「高額医療費貸付制度」を利用することもできます。

 

自己負担限度額はいくら?

高額医療費制度の自己負担限度額

(全国協会けんぽホームページより転載)

 

高額療養費の金額がどれくらいになるのかわからないという方は、こちらのサイトでシュミレーションすることもできます。

 http://www.bms.co.jp/kogakuryoyo/program01.html

(ブリストル・マイヤーズ株式会社)

 

高額医療費制度の申請方法

高額医療費制度は事前に手続きをしておけば、支払い時には3割の負担額ではなく、負担すべき上限額のみの治療費になり、その金額に食事代と差額ベッド代、その他電気代などの経費を加えた金額だけ支払えばいいことになります。

入院中に手続きができないような場合は、病院では3割の自己負担額ベースの請求額を支払い、後から還付されることになります。

入院中や入院前の手続きができるケースは少ないため、高額医療費制度の多くが退院後の請求になります。

 

高額医療費貸付制度

先にも触れたとおり、高額療養費の給付が受けられるまで、最低でも3ヶ月はかかります。

退院時の支払いまでに申込ができていれば、自己負担分を一旦全額建て替える必要があります。

建て替えるにしても高額で、払うことができないという人も多いため、所属の健康保険から当面の医療費を貸付してもらうことができます。

それが「高額医療費貸付制度」です。

こちらは、無利息で高額療養費で戻ってくる金額の8割から9割貸付られます。

貸出までに2~3週間かかります。

 

医療費制度に頼らず入院費や生活費を用意するには?

高額医療費制度があるとはいえ、入院前に申請ができていない場合は入院費や入院期間中の費用は自分で用意しておく必要があります。

1日2万円と考えて、30日の入院で60万円です。

普段からコツコツ貯めている人にはそれほど大きな金額ではないかもしれませんが、60万円用意するというのはそれほど簡単なことではありません。

ただ用意しないことには入院もできず、治療もできないわけです。

ここでは医療費制度に頼らずに入院費や生活費を用意するための方法を紹介します。

医療保険に加入しておく

入院が決まってからでは遅いのですが、医療保険に加入しえおくことが入院時に発生する費用への備えとしては最もポピュラーな方法になります。

保険によっては入院中にその時点での入院給付金を受け取れることもあります。入院が長引くような場合は、入院の途中で医療保険についている入院給付金を請求して、一時的に入院にかかる費用の一部を補うことが可能です。

ただし請求のたびに診断書を出してもらわなくてはいけなくなり、その診断書は5千〜1万円の費用が発生しますので、よほどのことがない限り退院後にまとめて請求するほうがよいでしょう。

手術のある入院で、医療保険に入院給付金もあるような場合は、入院費すべてを医療保険で支払うことも可能です。

この場合も基本的には退院後の請求になりますので、入院にかかった費用は一時的であっても自分で用意しなくてはいけなくなります。

 

キャッシングを利用して用意する

医療保険に入っていない場合や、医療保険の請求が退院後になるような場合は、数十万円ものお金をやはり自分で用意しなくてはいけません。

このようなときに利用したいのが、銀行などのカードローンを利用したキャッシングになります。

消費者金融系のキャッシングでもかまわないのですが、入院しながらキャッシングの審査を受けるのに、収入証明書などを準備する余裕はないはずです。

消費者金融系の場合は収入証明書なしで借りられる金額の上限が50万円になっているため、入院の費用によっては不足することもあります。

銀行のカードローンでキャッシングができれば、100万円くらいまで収入証明書不要で借りることができます。

しかも来店不要でウェブからの申込だけで借りることもできますので、入院中でもスマホがあれば申請することができます。

もちろん審査に通らなければお金を借りることはできませんが、会社員で勤続年数が長ければブラックリストに載っていない限り、お金を借りることができます。

アルバイトやパートでも、安定して働いている場合は審査に通りやすくなっています。

審査結果は即日わかりますので、キャッシング出来なかったときの次の手も打ちやすいというメリットもあります。

頼れる人が近くにいない。それでも入院が必要だという人はキャッシングで入院の費用を用意することも検討してみましょう。

 

キャッシングしたお金は計画的に返しましょう

キャッシングできたとしても、そのお金はもらったお金ではありません。借りたお金ですからコツコツ返していく必要があります。

高額医療費制度で戻ってきたお金は、繰り上げ返済に使うなどして、利息の返済で苦しむことになる前に、借入金額を減らすようにしてください。医療保険に入っている場合も同様です。

どうしてもお金が必要なときにキャッシングをするというのは仕方のないことです。ただし、その返済は可能な限り早く行うようにしてください。

特に長期の入院をしていた人は収入面でもマイナスになっていますので、生活費も不足して、人によってはその分までもキャッシングで頼ろうとしてしまいます。

もちろん本当に必要な生活費は借りても良いですが、それもこれも返済のための計画がしっかりできてのことです。

 

入院のための費用であっても、キャッシングの返済は計画的に行ってください。

制度の利用はすみやかに。生活費の確保も必要

療養費の申請は入院中に

 高額療養費の給付や、高額医療費貸付制度を利用する際は、すみやかに利用の申請を行うということが重要になってきます。

退院後に申請をするというイメージをお持ちの方も多いようですが、入院中から申し込むことはできます(病院のほうからすすめてくれるケースが多いです)。

貸付が間に合わないと、一時的にでも自己負担分を全額支払うことになりますので、もし用意できない場合は、民間の金融機関から借りるということになります。

 

また、医療保険に入っていない方で、家計をささえる人が入院してしまった場合は、休業中の生活費の手当も必要になります。

本人の入院中の生活費以外にも、家で生活する家族の生活費を確保しないといけません。

いざというときに頼れる保険があればよいですが、なかなか月々の支払いが厳しく、保険にも入れていないという方は、万一のときのお金を蓄えておくのは必須でしょう。